比較・選び方
大判プリンターの選び方|用途・方式・費用で失敗しない5つのステップ
公開:2026年7月7日

大判プリンターは、機種によって得意な用途・印刷方式・対応サイズが大きく異なります。「なんとなく高画質そうだから」で選ぶと、必要な素材に印刷できなかったり、ランニングコストが想定より膨らんだりと、導入後に後悔しがちです。
この記事では、看板・サイン制作の現場目線で、大判プリンター選びを「用途→方式→幅→総額→サポート」の5ステップに整理しました。各ステップで判断軸と該当機種を示すので、順に読めば自社に合う1台が絞り込めます。
大判プリンターの選び方で最も大事なことは?
「用途→印刷方式→印刷幅→総額→サポート」の順で絞り込むことです。最初に何を刷るかを決めれば、必要な方式と機種が自然に決まります。
大判プリンターとは?複合機・プロッターとの違い
大判プリンターとは?
A2〜A0や幅1m超のロール素材に印刷できる業務用プリンターです。オフィス複合機がA3までなのに対し、大判サイズの高精度出力に対応します。
大判プリンターは、A2・A1・A0といった大判サイズや、幅1mを超えるロール素材への印刷に対応した業務用のインクジェットプリンターです。一般的なオフィス複合機がA3までの用紙を前提としているのに対し、大判プリンターは36インチ(約914mm)や44インチ(約1118mm)、さらに広い3m級のロールメディアまで扱えます。
「プロッター」という言葉は、もともとCAD図面や設計図を出力する大型印刷機を指してきた呼び名で、現在も建築・設計の現場では図面出力機をプロッターと呼ぶことがあります。図面用途か、看板・ポスターなどのグラフィック用途かで、選ぶべき機種の系統が変わります。
この記事では、看板・POP・ステッカー・内照サインといったグラフィック/サイン用途を中心に、大判プリンターの選び方を解説します。
図面・CAD中心なら「プロッター(水性顔料機)」、看板・サイン中心なら「溶剤・UV・ラテックス機」が主な候補になります。まずは自社の用途がどちらに寄るかを意識すると、機種が絞りやすくなります。
大判プリンターの選び方 5つのステップ
大判プリンターはどんな順番で選べばいい?
①用途 ②印刷方式 ③印刷幅 ④総額 ⑤サポートの順です。用途を起点にすると、必要な方式・幅・機種が絞り込めます。
大判プリンター選びでよくある失敗は、スペックや価格から入ってしまうことです。まず「何を刷るか(用途)」を決め、そこから方式・幅・総額・サポートへと順に絞り込むと、判断がぶれません。以下で各ステップを見ていきます。
STEP1|用途を決める(何を刷るか)
選定の出発点は用途です。屋外看板・POP・ステッカー・内照式看板・グッズ・図面など、主に刷りたいものを1〜2つに絞りましょう。用途が決まれば、必要な耐候性・素材・仕上げが決まり、後続の方式・機種選びが一気に楽になります。
「あれもこれも」と欲張ると、どの用途も中途半端な機種を選びがちです。まずはメインの用途を明確にし、サブ用途は「できれば対応したい」程度に整理するのがコツです。
STEP2|印刷方式を選ぶ(水性・溶剤・UV・ラテックス)
水性・溶剤・UV・ラテックスはどう選ぶ?
屋内・図面は水性、屋外看板は溶剤かラテックス、素材を選ばず立体も刷るならUV、匂いを避けたいならラテックスが基本の目安です。
大判プリンターは、インクの種類=印刷方式によって、得意な素材・耐候性・設置環境が変わります。看板・サイン用途では、この方式選びが機種選定の要になります。代表的な4方式の特徴を整理します。
| 方式 | 得意な用途 | 特徴の目安 |
|---|---|---|
| 水性顔料 | 屋内ポスター・図面・写真 | 高画質・色再現に優れる。耐候性は低め(屋外はラミネート要) |
| 溶剤(ソルベント) | 屋外看板・横断幕・カーラッピング | 耐候性が高く屋外の定番。乾燥・換気に配慮が必要 |
| UV | 内照サイン・ステッカー・板/立体物 | 素材を選ばず直接印刷。速乾。白・ニスで加飾も可能 |
| ラテックス | 屋内外看板・壁紙・のぼり | 水性で低臭・速乾かつ屋外耐候。飲食/医療/教育の屋内にも |
上表は一般的な傾向の目安です。実際は同じ方式でも機種により対応素材・耐候年数が異なります。方式ごとの詳しい違いは別記事でも解説予定です。用途に迷う場合はお問い合わせください。

屋内で匂いを避けたい飲食店・医療・教育向けの掲示物にはラテックスやUVが向きます。逆に屋外で長期間の耐候性を最優先するなら溶剤も有力です。「屋外か屋内か」「匂い・換気の制約」を先に確認すると方式が絞れます。
STEP3|印刷幅・対応サイズを決める
印刷幅はどう決める?
作りたい最大サイズより1つ上の幅に対応した機種を選ぶと安心です。後から大きい出力が必要になっても対応できます。
印刷幅は「今作りたい最大サイズ」から逆算します。ただし、現時点で必要なサイズちょうどの機種を選ぶと、後から一回り大きい出力が必要になったときに対応できません。可能なら1つ上の幅に余裕を持たせるのが実務上の安心策です。
看板・サイン用途では、1.3〜1.6m幅が一般的な主力帯、大型の内照サインやグランドフォーマットでは3.2m級まで選択肢があります。設置スペースやスタンドの要否も、この段階で合わせて確認しておきましょう。

STEP4|本体価格でなく「総額」で見る
大判プリンターは何で費用を比較すべき?
本体価格だけでなく、インク・メンテナンス部材・RIPソフト・保守契約を含めた総額(ランニングコスト込み)で比較します。
大判プリンターは、導入後に本体価格以外のコストが継続的にかかります。インク、プリントヘッドやメンテナンスタンクなどの消耗品、RIPソフト、電気代、そして保守契約。これらを含めた総額で比較しないと、「本体は安かったのにランニングで高くついた」という失敗になりがちです。
特に見落としやすいのが保守契約です。本体価格に1年間の保証が含まれる機種もあれば、保守契約が実質必須の機種もあります。故障時に業務が止まるリスクを考えると、保守は総額の一部として最初から見込んでおくのが安全です。
STEP5|サポート体制で選ぶ(止まらない仕組み)
大判プリンターは業務の生産設備です。万一故障して稼働が止まれば、納期遅延に直結します。だからこそ、購入して終わりではなく「止まったときにどれだけ早く復旧できるか」を選定基準に入れるべきです。
確認したいのは、保守拠点や対応エリア、部材の在庫・供給、電話やリモートでの相談のしやすさ、純正RIP・消耗品の入手性です。国内で相談・サポートが受けられる体制かどうかは、長く使うほど効いてきます。導入前に、サポートの範囲と応答スピードを具体的に確認しておきましょう。
用途別のおすすめ機種
用途別にどの機種がおすすめ?
内照サインは大判UV、ステッカーはプリント&カットUV、省エネ運用はUV、小物・立体はフラットベッドUVが目安です。
5ステップで用途と方式が固まったら、具体的な機種に落とし込みます。代表的な用途とおすすめ機種を、比較表で確認しましょう。各機種の詳細ページで、スペック・価格・比較・選び方まで掘り下げています。
内照式看板・大型サインを作りたい
白インクの3層印刷と3.2m級の大判対応で、昼夜きれいに見える内照サインを製作できます。
作れるもの
内照式看板、電飾サイン、大型グラフィック
必要な機能
- 大判UV(3.2m級)
- 白インク3層
- 透過素材対応
向いている理由
内照サインは昼夜で見え方を両立させる白の使い方が肝で、大判UV機が向きます。3.2m級なら大型もつなぎ目を抑えて製作できます。
ステッカー・ラベルを内製したい
印刷と輪郭カットを1台でこなすプリント&カットUV機なら、フリーカットのステッカーを効率よく作れます。
作れるもの
オリジナルステッカー、カットラベル、車両マーキング
必要な機能
- プリント&カット一体
- 耐候性インク
- カット精度
向いている理由
印刷機とカッターを別に持たずに済み、位置合わせの手間も省けます。UVインクなので屋外用途の耐候性にも対応します。
看板・パネルを省エネで量産したい
省エネ設計のUV機なら、ランニングを抑えつつ幅広メディアへ看板・パネルを連続出力できます。
作れるもの
アルミ複合板サイン、パネル看板、屋外掲示物
必要な機能
- ロールUV
- 省エネ設計
- 耐候性インク
向いている理由
耐候性のあるUVインクで屋外看板に対応しつつ、省エネ設計でランニングコストを抑えられます。税制・補助金の対象となる場合もあります。
小物・立体・名入れを作りたい
卓上フラットベッドUV機なら、アクリル・スマホケース・トロフィーなど立体物に直接印刷できます。
作れるもの
アクリルグッズ、名入れノベルティ、立体・小物
必要な機能
- 卓上フラットベッド
- ワーク高さ対応
- 硬質/柔軟インク
向いている理由
版が不要で1個から名入れができ、多品種小ロットに向きます。硬質・柔軟インクの使い分けで幅広い素材に対応します。
用途別・代表機種の比較
| 型番 | 最大作図幅 | インク | カット | 価格目安 |
|---|---|---|---|---|
| UJV55-320 | 3,200mm | UV硬化インク LUS-120(C, M, Y, K, Lc, Lm, W) | なし | 6,215,000円(税込) |
| UCJV300-75 | 800mm | LED-UVインク(LUS-170 / LUS-200) | プリント&カット一体(IDカット機能搭載) | 2,728,000円(税込) |
| UJV100-160Plus | 1,610mm | UV硬化インク LUS-170(C, M, Y, K, W, Cl) | なし | お問い合わせ |
| UJF-3042MkII e | 300×420mm(A3・最大作図範囲) | UV硬化インク LH-100(硬質)/LUS-120(柔軟)/PR-200(プライマー) | なし | 2,973,300円(税込) |
本体価格だけでなく、保守・消耗品・純正RIPを含めた総額とサポート体制まで含めて比較するのがおすすめです。用途が固まっていない場合は、作りたいものをご相談いただければ最適な機種をご提案します。
メーカーで選ぶときの考え方
大判プリンターは国内外の複数メーカーが展開しており、それぞれ得意分野が異なります。図面・CAD・オフィス用途の水性機は事務機系メーカーが強く、看板・サイン向けの溶剤・UV・ラテックス機はサイングラフィック系メーカーが充実しています。
重要なのは「メーカー名で選ぶ」のではなく、STEP1〜2で決めた用途・方式に合うラインナップを持つメーカーから、総額とサポートで比較することです。同じメーカーでも用途向けにシリーズが分かれているため、シリーズ単位で見るのが失敗しないコツです。
当サイトでは看板・サイン用途で実績のある機種を中心に、機種ごとの詳細ページで方式・価格・比較・選び方を解説しています。メーカー横断で用途に合う機種を探せます。
導入費用・補助金の目安
大判プリンターの導入費用はどのくらい?
用途・方式・幅により幅があります。本体に加え、インク・保守・RIPを含めた総額で検討し、正確な費用は見積もりで確認します。
導入費用は、方式・印刷幅・オプション構成によって大きく変わります。卓上フラットベッドUV機は数百万円台から、大判ロール機は幅や機能により幅があります。前述の通り、本体価格だけでなく総額(インク・保守・RIP・設置環境)で見積もることが重要です。
また、省力化・生産性向上を目的とした設備投資では、税制優遇や補助金の対象となる場合があります。制度は年度や条件で変動するため、対象になるかどうかは導入検討時に確認するのが確実です。実質的な導入コストを抑えられる可能性があります。
「用途は決まっているが、方式・機種・総額が分からない」という段階でも大丈夫です。用途をお伝えいただければ、方式選定から機種・費用の目安、補助金の対象可否まで含めてご提案します。
よくある質問
大判プリンターとプロッターの違いは何ですか?
プロッターはもともとCAD図面・設計図の出力機を指す呼び名で、現在も図面用途の大判機をプロッターと呼ぶことがあります。看板・ポスターなどのグラフィック用途では、溶剤・UV・ラテックスなどの大判インクジェットプリンターが主に使われます。用途によって選ぶ系統が変わります。
屋外看板にはどの方式が向いていますか?
屋外の耐候性を重視するなら溶剤またはラテックスが定番です。ラテックスは水性で低臭・速乾ながら屋外耐候性も備え、UVは素材を選ばず速乾で内照サインやステッカーにも向きます。設置環境(屋内外・匂いの制約)と素材から選ぶのがおすすめです。
リースと購入はどちらがよいですか?
初期費用を抑えて月額で平準化したい場合はリース、長期利用で総支払額を抑えたい場合は購入が一般的な考え方です。保守契約の有無や補助金の対象可否によっても最適解が変わるため、総額とサポートを含めて比較することをおすすめします。具体的な条件はお問い合わせください。
設置にはどのくらいのスペースが必要ですか?
機種の印刷幅により異なりますが、大判機は本体に加えてメディアの取り回しや前後の作業スペース、機種によってはスタンドの設置面積も必要です。印刷幅を決める段階で、設置場所の寸法と搬入経路もあわせて確認しておくと安心です。
どの機種がよいか分かりません。相談できますか?
作りたいもの・想定ロット・設置環境をお伝えいただければ、方式選定から最適な機種・構成、費用の目安までご提案します。機種選定のご相談・お見積もりは無料です。お気軽にお問い合わせください。
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看板資材のネット通販で支持される「サインシティ」を運営する株式会社トレード。2001年のネット草創期からEC運営を続けてきた先駆企業であり、全国50拠点以上をもつ上場企業グリーンクロスグループの一員です。プリンター本体だけでなく、印刷メディアやラミネートなどの資材まで自社で扱う“材料商社”だからこそ、トータルでお求めやすい価格をご提案できます。相見積もり、歓迎です。
- ・2001年(ネット草創期)から自社ECサイト「サインシティ」を運営
- ・株式会社トレードは1990年設立
- ・全国50拠点以上をもつ上場企業グリーンクロスグループ(証券コード272A)の一員
