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大判プリンターに補助金は使える?税制優遇の対象機種と申請の落とし穴【2026年版】

公開:2026年7月14日

大判プリンターの設備投資に関する申請書類と計画書を確認する様子

「大判プリンターを入れたいが、補助金は使えるのか」——導入を検討する現場から、最も多く聞かれる質問のひとつです。

そもそも買うべきかを迷っている方は、まず内製化の損益分岐点をご覧ください。物量と外注単価から「まだ買わないほうが得」かどうかが分かります。

結論から言うと、多くの機種で税制優遇を利用できる可能性があります。ただし、この制度には見落とすと致命的な落とし穴があります。それは「機械を買ってから申請しても、原則として間に合わない」ということです。

この記事では、看板・サイン業として実際に機械を扱ってきた立場から、大判プリンター・カッティングプロッターに使える制度と、申請のタイミング、そして機種ごとの対象/対象外の目安を整理します。

大判プリンターの導入に補助金・税制優遇は使えますか?

中小企業経営強化税制などの税制優遇は、多くの機種で利用できます。取得価額の10%を法人税額から直接控除、または全額を初年度に即時償却できます。ただし機械装置は税別160万円以上が要件で、原則として設備を取得する前に計画認定を受ける必要があります。

大判プリンターに「補助金」は出るのか?

補助金と税制優遇は同じものですか?

まったく別の制度です。税制優遇は要件を満たせば使えますが、補助金は事業計画の審査に通らなければ1円も出ません。「この機種は補助金対象」という表現は正確ではありません。

検索する方の多くは「補助金」という言葉で探しています。しかし設備投資で実際に効いてくるのは、多くの場合「税制優遇」の方です。この2つは仕組みがまったく違います。

税制優遇は、法律で決められた要件を満たせば適用されます。機種が対象で、計画の認定を受けて、決められた手順を踏めば、原則として使えます。予算枠の取り合いにはなりません。

一方、補助金(ものづくり補助金、事業再構築補助金など)は、事業計画を提出して審査を受け、採択された事業者だけが受け取れます。同じ機械を買っても、計画の内容次第で採択される会社と落ちる会社が出ます。機種が対象カテゴリに入っているかどうかで決まるものではありません。

「この機種は補助金対象製品です」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。補助金は機種ではなく、申請者の事業計画と審査で決まります。対象になり得るのは税制優遇の方です。

大判プリンターに使える税制は主に2つ

設備投資で使われる代表的な制度は、中小企業経営強化税制と中小企業投資促進税制の2つです。どちらも中小企業者等が対象で、同じ設備に両方を重ねて使うことはできません。どちらか一方を選びます。

中小企業経営強化税制中小企業投資促進税制
受けられる措置即時償却 または 取得価額の10%を税額控除(資本金3,000万円超の法人は7%)取得価額の30%を特別償却 または 7%を税額控除
計画の認定必要(経営力向上計画の認定)不要
証明書必要(工業会等の証明書、またはA類型以外では確認書)不要
機械装置の金額要件1台160万円以上(税別)1台160万円以上(税別)
手間大きい(計画策定・認定が必要)小さい(申告時の手続きのみ)
メリットの大きさ大きい(即時償却/10%控除)中程度(30%償却/7%控除)

税額控除には当期の法人税額の20%という上限があります。制度の詳細・最新の要件は中小企業庁の公式ページおよび顧問税理士にご確認ください。

手間をかけてでもメリットを取りたいなら経営強化税制、手続きを簡素に済ませたいなら投資促進税制、というのが大まかな使い分けです。ただし経営強化税制は計画の認定に時間がかかるため、導入スケジュールとの兼ね合いで選ぶことになります。

なお、中小企業経営強化税制の適用期限は現時点で2027年3月31日までとされていますが、税制改正により延長される見込みが示されています。制度は改正が頻繁にあるため、検討時点で必ず最新の情報をご確認ください。

実際にいくら得をするのか

税額控除と即時償却、どちらを選ぶべきですか?

利益が出ていて法人税を納めている会社なら、税額控除の方が有利なケースが多くなります。即時償却は「初年度に費用を前倒しする」仕組みで、トータルの納税額が減るわけではないためです。

税額控除(10%)の場合

税別202万円のUVプリンター(UJV100-160)を例にすると、取得価額の10%にあたる約20万円が、納めるべき法人税額から直接差し引かれます。これは実際に手元に残るお金が20万円増えるということです。

税別3,300万円のフラットベッド機(JFX600-2531)なら、単純計算で330万円。ただし税額控除には当期の法人税額の20%という上限があるため、利益が小さい年度には控除しきれないこともあります。

即時償却の場合

即時償却は、本来なら耐用年数にわたって分割計上する減価償却費を、初年度に全額まとめて計上できる仕組みです。同じ202万円の機械なら、通常は年40万円ずつ5年かけて費用にするところを、初年度に202万円を一気に費用にできます。

初年度の利益が大きく圧縮されるため、その年の納税額は大きく減ります。しかし、ここは正直に書いておきます。翌年度以降の減価償却費はなくなるため、5年トータルで見た納税額は基本的に変わりません。即時償却は減税ではなく、費用の前倒しです。

それでも即時償却が選ばれるのは、「今期たまたま利益が大きく出た」「手元のキャッシュを厚くしたい」といった資金繰り上の理由があるときです。どちらが有利かは決算状況によって変わるため、必ず顧問税理士にご相談ください。

【最重要】機械を買ってからでは、間に合わない

先に機械を買ってから申請してもいいですか?

原則として認められません。中小企業経営強化税制では、証明書の取得と経営力向上計画の認定を、設備を取得する前に済ませておく必要があります。取得後60日以内の申請が例外的に認められる場合もありますが、年度内の認定が条件です。

この記事で最もお伝えしたいのが、この点です。制度の内容よりも、順序の方がはるかに重要です。

中小企業庁の説明では、工業会等による証明書や経済産業大臣による確認書は設備の取得前に申請する必要があり、主務大臣の認定を受けた後に設備を取得する流れと明記されています。つまり、「良い機械を見つけたので発注しました。ところで補助金は使えますか」という順番では、原則として間に合いません。

取得日から60日以内に申請が受理されれば例外的に認められる場合もありますが、これは年度内に認定を受けられることが条件です。年度末に近い時期の駆け込みは、極めてリスクが高くなります。

機械の発注・契約を先に済ませてしまうと、税制優遇が使えなくなる可能性があります。導入を検討し始めた段階、つまり機種を絞り込む前後のタイミングで、顧問税理士にご相談ください。

申請から導入までの流れ(A類型の場合)

中小企業経営強化税制(A類型)の手続きの流れ

  1. 証明書を依頼

    設備メーカーに、工業会等が発行する証明書の発行を依頼します。発行までに時間がかかります。

  2. 経営力向上計画を申請

    証明書の写しを添付し、経営力向上計画を策定して主務大臣に申請します。

  3. 認定を受ける

    主務大臣の認定を待ちます。ここでも時間がかかります。

  4. 設備を取得する

    認定を受けた後に、はじめて設備を取得します。この順序を逆にすると、原則として制度が使えません。

  5. 税務申告

    申告時に所定の書類を添付します。

設備の取得は最後です。先に発注・契約してしまうと、税制優遇が使えなくなる可能性があります。

④の「設備を取得する」が最後に来ていることに注目してください。証明書の発行にも、計画の認定にも、それぞれ時間がかかります。導入を急いでいる場合ほど、早めに動き出す必要があります。

対象になる機種・ならない機種|160万円の壁

カッティングプロッターも税制優遇の対象ですか?

機械装置として扱う場合、1台あたり税別160万円以上という金額要件があります。CG-ARシリーズやCG-FXII Plusシリーズはこの金額に届かないため、機械装置としては要件を満たしません。

見落とされがちなのが金額要件です。国税庁の説明では、対象となる機械装置は1台または1基の取得価額が160万円以上のものとされています。この160万円は税別価格です。

大判プリンターの多くはこの水準を超えますが、カッティングプロッターは価格帯が低いため、機械装置としては要件を満たさない機種が出てきます。プリンターとカッターを同時に導入する場合でも、金額は1台ごとに判定されるのが原則です。合算はできません。

以下は主要機種の標準価格(税別)を、160万円という基準に照らして整理したものです。

機種メーカー標準価格(税別)160万円要件
JFX600-2531(フラットベッド)33,000,000円満たす
SIJ-320UV(3.2m UV)10,108,000円満たす
JFX200-1213 EX(フラットベッド)8,000,000円満たす
UJV55-320(3.2m UV)5,650,000円満たす
UJF-3042MkII e(卓上UV)2,703,000円満たす
UCJV300-75(プリント&カット)2,480,000円満たす
UJV200-130(UV)2,120,000円満たす
UJV100-160(UV)2,022,000円満たす
CJV200-130(プリント&カット)1,700,000円満たす
CJV200-75(プリント&カット)1,500,000円満たさない
CG-160FXII Plus(カッター)1,341,000円満たさない
CG-130AR(カッター)381,000円満たさない

価格はミマキエンジニアリング公式サイト掲載の標準価格(2026年7月確認時点)。この表は機械装置の金額要件(税別160万円以上)に照らした一般的な目安であり、税制の適用可否を保証するものではありません。実際の適用は、事業内容・法人形態・計画認定の状況・資産区分の判定などにより異なります。必ず顧問税理士・所轄税務署にご確認ください。

同じCJV200シリーズでも、130と160は160万円の要件を満たしますが、最小モデルの75(税別150万円)は届きません。シリーズ内で扱いが分かれる点にご注意ください。

ミマキエンジニアリング CJV200 Series(CJV200-75 / 130 / 160)
おすすめ機種

CJV200 Series(CJV200-75 / 130 / 160)

130・160は金額要件を満たします。3モデルの違いはこちら

ミマキエンジニアリング UJV100-160
おすすめ機種

UJV100-160

税別202万円。UV機で最も導入しやすい価格帯

リースで導入する場合はどうなるか

リース契約でも税制優遇は使えますか?

契約形態によって扱いが変わります。所有権移転外ファイナンスリースなど、契約の種類によって適用可否や適用する制度が異なるため、個別の確認が必要です。

大判プリンターは高額な設備のため、リースで導入されるケースが多くあります。この場合、税制優遇の扱いは契約形態によって変わります。

所有権移転外ファイナンスリースの場合、資産の所有者はリース会社になります。そのため、購入した場合とは適用の考え方が変わり、使える制度や手続きも異なってきます。ここは契約内容ごとの個別判断になる領域であり、一般論では正確に説明できません。

リースでの導入を検討されている場合は、契約形態と税制の適用可否をセットで確認することをおすすめします。当サイトでも、リース会社との調整を含めてご相談を承っています。

よくある3つの失敗

① 機械を買ってから相談してしまう

最も多い失敗です。繰り返しになりますが、経営強化税制は原則として設備の取得前に計画認定を受ける必要があります。「良い機械が見つかったので発注しました」という段階では、選択肢が大きく狭まります。

② 年度末に駆け込む

証明書の発行にも計画の認定にも時間がかかります。決算期末に「今期中に何とかしたい」と動き始めても、手続きが年度内に完了しない可能性があります。設備投資は思い立ってから実行まで数か月かかるものと考え、余裕を持って動くのが安全です。

③ 「対象製品」という言葉を鵜呑みにする

販売店やメーカーのページに「税制・補助金対象製品」と書かれていても、それは「制度の対象になり得る設備区分に含まれる」という意味にすぎません。実際に適用できるかどうかは、その会社の資本金、業種、利益の状況、計画の認定を受けたかどうかによって決まります。機種が対象だから自動的に使える、というものではありません

機種選定と税制を、同時に考える

ここまで見てきたとおり、税制優遇は「機械を決めた後の手続き」ではなく、「機種を選ぶ段階から並行して進めるもの」です。とくに160万円の金額要件は、どのモデルを選ぶかによって結論が変わります。

当サイトは看板・サイン業として実際に機械を使ってきた立場から、機種選定のご相談を承っています。税制の適用可否そのものは税理士の領域ですが、「この機種は金額要件を満たすのか」「導入スケジュールをどう組むべきか」といった実務面のご相談には対応できます。

相見積もりも歓迎しています。他社様のお見積書をお持ちいただければ、金額でお応えします。

出典・参考

本記事は制度の概要を整理したものであり、個別の税務判断を行うものではありません。税制は改正が頻繁にあり、適用の可否は事業内容・法人形態・計画認定の状況により異なります。実際のご判断にあたっては、必ず顧問税理士・所轄税務署・中小企業庁の最新情報をご確認ください。

よくある質問

大判プリンターの導入に補助金は使えますか?

ものづくり補助金などの補助金は、機種ではなく事業計画の審査で採否が決まります。機械が対象カテゴリに入っていても、計画が採択されなければ受け取れません。一方、中小企業経営強化税制などの税制優遇は、要件を満たせば適用できます。設備投資で確実性が高いのは税制優遇の方です。

先に機械を発注してしまいました。今から申請できますか?

中小企業経営強化税制では、原則として設備の取得前に証明書の取得と計画認定を済ませる必要があります。取得日から60日以内に申請が受理されれば例外的に認められる場合もありますが、年度内に認定を受けることが条件です。まずは顧問税理士にご相談ください。

カッティングプロッターは税制優遇の対象になりますか?

機械装置として扱う場合、1台あたり税別160万円以上という金額要件があります。CG-ARシリーズ(税別19万〜38万円)やCG-FXII Plusシリーズ(税別66万〜134万円)はこの金額に届かないため、機械装置としては要件を満たしません。ただし資産区分の判定は個別の状況によるため、詳細は税理士にご確認ください。

プリンターとカッターを同時に買えば、合計160万円を超えます。対象になりますか?

金額要件は原則として1台または1基ごとに判定されます。複数の機械を合算して160万円以上とする考え方は認められていません。それぞれの機械が単体で要件を満たすかどうかで判断されます。

即時償却と税額控除、どちらが得ですか?

利益が出て法人税を納めている会社であれば、税額控除の方が有利なケースが多くなります。即時償却は費用を初年度に前倒しする仕組みで、翌年度以降の減価償却費がなくなるため、トータルの納税額が減るわけではないためです。ただし資金繰りや決算状況によって最適解は変わるため、顧問税理士にご相談ください。

リース契約でも税制優遇は使えますか?

契約形態によって扱いが変わります。所有権移転外ファイナンスリースの場合は資産の所有者がリース会社となるため、購入時とは適用の考え方が異なります。契約内容ごとの個別判断になるため、リース会社と税理士の双方にご確認ください。当サイトでもリース会社との調整を含めてご相談を承っています。

制度はいつまで使えますか?

中小企業経営強化税制の適用期限は、現時点では2027年3月31日までとされています。ただし税制改正により延長される見込みが示されており、制度は頻繁に改正されます。検討時点での最新情報を、中小企業庁の公式ページおよび顧問税理士にご確認ください。

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看板資材のネット通販で支持される「サインシティ」を運営する株式会社トレード。2001年のネット草創期からEC運営を続けてきた先駆企業であり、全国50拠点以上をもつ上場企業グリーンクロスグループの一員です。プリンター本体だけでなく、印刷メディアやラミネートなどの資材まで自社で扱う“材料商社”だからこそ、トータルでお求めやすい価格をご提案できます。相見積もり、歓迎です。

  • 2001年(ネット草創期)から自社ECサイト「サインシティ」を運営
  • 株式会社トレードは1990年設立
  • 全国50拠点以上をもつ上場企業グリーンクロスグループ(証券コード272A)の一員
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